公開日:2021.03.11最終更新日:2021.08.18
工数管理とは?メリットとデメリットについて徹底解説
目次
工数管理とは?
数多くの会社が、「生産性向上」や「業務効率化」といったスローガンを掲げる昨今において、「工数管理」という言葉を耳にする機会が増えた方も多いでしょう。以前は、システム開発や製造の現場での業務効率化を目的として、行われることの多かった工数管理ですが、今ではジャンルを問わず幅広い業種で取り入れられるようになりました。
では案件やプロジェクトを行う上で、欠かせないものとなりつつある「工数管理」とは一体どのようなものなのでしょうか?
工数管理を一言で表すと、プロジェクト完了に必要な業務量の合計を見える化して管理することだといえます。大まかなイメージを掴んでいただいたところで、より詳しい説明に移っていきましょう。
工数管理で管理する必要な業務量の合計は、「業務にかかる時間」×「業務に関わる人の数」で算出されます。つまり、管理下に置く主な要素は「時間」と「人」の2つとなります。
プロジェクトに関わる「時間」と「人」をリアルタイムで見える化しながら、作業を進めることは「期限内のプロジェクト完了」にとどまらず「時間のかかっている作業の特定」や「負担の多いメンバーの発見」、「コスト削減による利益の最大化」など多岐にわたって効果を発揮してくれます。
そんな、社内の業務効率化・生産性向上に一役買ってくれる「工数管理」について、本記事ではさらに深掘りしながら、解説していきたいと思います。
工数管理の重要性
工数管理の重要性が高まっている背景には、どのような理由が隠れているのでしょうか?今回は、工数管理が重要だといえる理由を2点紹介させていただきます。
1つ目は、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握できる点です。社内で数多くのプロジェクトを抱えている場合、「どのメンバーがどれだけのプロジェクトに関わっているのか把握できない」、「納期間近のプロジェクトを焦って進めていた」といった経験もあるでしょう。工数管理では、「だれがどのプロジェクトをどれだけ進めたか」の見える化が可能なので、そのような問題抱えることが少なくなります。
2つ目は、プロジェクト全体のコストを把握して、利益の最大化につなげられる点です。それぞれのプロジェクトで上げた利益の裏には、利益を上げるためにかかったコストが隠れています。社内全体としてだけでなく、プロジェクトごとにかかっているコストの可視化によって、「赤字の原因となった作業」などをいち早く特定し、改善につなげていくことで利益の残るプロジェクト進行が可能となります。
これらのことから、工数管理は”納期内の完了を目指した進捗管理”と”コストを意識した利益の残るプロジェクト進行”が同時にかなえられるという点で重要性が高いといえます。
異なる立場でみる工数管理のメリット・デメリット
工数管理の重要性を理解していただいたうえで、多くの方が社内に取り入れてみようと感じたことでしょう。ここからは、より具体的かつ多角的に工数管理の特長を知っていただくためにも、異なる立場からみる工数管理のメリット・デメリットをお話ししていきたいと思います。
今回は制作会社で実際に工数管理を導入し、運営した経験を踏まえたお話となります。Web制作会社やデザイン会社などのクリエイティブ職の方はもちろんのこと、工数管理の導入をご検討されている多くの方の参考となれば、幸いでございます。ぜひ導入後の会社の姿をイメージしながら、ご覧になってください。
会社・ディレクター目線
会社・ディレクター目線から考えられる工数管理のメリットは、以下の3つとなります。
- メンバー・チームの進捗状況を正確に把握しながら納期の管理ができる!
- 赤字案件を減らして、利益の残る経営につなげられる!
- 計画・見積もりの精度が上がる!
先にもお話しさせていただいた通り、工数管理によってメンバー・チームの進捗状況を把握できることは、納期内のプロジェクト完了に貢献してくれます。また1か所に情報をまとめることで、複数プロジェクトの情報の散らばりを防ぎ、作業の無駄を削減してくれます。
さらにプロジェクトごとにかかるコストも管理できるので、高コストな赤字案件や低コストな利益率の高い案件の特定が可能となります。これらの情報をもとに、よりよい経営プランの策定につなげてみてください。
工数管理によって蓄積されたデータは、新しい案件に取り掛かる際に、精度の高い計画・見積もりの実現を手助けしてくれます。新しい案件に取り掛かる前に、過去のデータ見直してみてください。きっと削減すべきコストが見つかるはずです。
メンバー目線
メンバー目線から考えられる工数管理のメリットは、以下の3つとなります。
- 目の前のタスクに集中できる!
- 当事者意識をもって作業に取り組める!
- フィードバックから得られる達成感によって、モチベーションUP!
工数管理というと管理側にのみメリットがあると思われがちです。しかし、タスクを実行する各メンバーにも様々なメリットが存在します。
まず工数管理によって進捗状況が見える化されるので、メンバーはやるべきことがはっきりして、目の前のタスクに全力で取り組むことができます。また、コスト状況や利益状況なども見える化しておくことで、作業効率化の意欲が湧き、当事者意識をもって作業に取り組めます!
工数管理のやり方によっては、メンバーのモチベーションUPにつなげることも可能となります。ですので、メンバーが主体的に取り組めるような環境作りも意識しながら取り入れてみてください。
お客様目線
お客様目線から考えられる工数管理のメリットは、以下の2つとなります。
- 精度の高い計画・見積もりが与える信頼感!
- スムーズな進捗状況の連携が与える安心感!
さいごにお客様目線に立って、工数管理のメリットを考えていきたいと思います。会社・ディレクター目線のメリットの部分でお話ししたように、日々の工数管理を徹底することで、新たな案件に具体的なビジョンとコスト感を持って取り組むことが可能です。
お客様から依頼があった際に、プロジェクト進行中・完了後のビジョンを鮮明に共有することができれば、「この会社さんなら頼りになるな」という印象を与え、お客様に与える信頼感は非常に高いものとなるでしょう。
また、プロジェクトの進捗状況がリアルタイムで見える化されていることで、進捗状況を知りたいお客様にもスムーズに現場状況が伝えられます。これによりお客様の感じる不安が軽減し、安心感が与えられるでしょう。
工数管理のデメリットとは?
ここまでのお話しで、工数管理の重要性に加えてメリットも知ったあなたは、工数管理を導入したいという思いが強くなってきたはずです。
しかし、デメリットを理解しないで導入することは非常に危険です。これからお話しするデメリットも考慮したうえで、検討してみてください!
現実とデータの乖離
工数管理を行う際には、メンバーにどの作業にどれだけの時間を費やしたかを報告してもらうことになると思います。その際に、作業ボリュームや費やした時間の報告があいまいなものとなってしまうと、プロジェクト全体、ないしは会社全体のコスト・利益管理にずれが生まれてしまいます。現実とデータとの間に乖離が生まれた状態でプロジェクト進行を行うことは非常に危険です。
そのため、メンバーに正確な報告を徹底してもらうようにしましょう。また工数管理を取り入れる意義や目的を共有したうえで、共通認識を持って取り組むことも重要となります。プロジェクト完了後に、「思っていたよりもコストがかかっていた」とならないように精度の高い工数管理を心がけるようにしてみてください。
工数管理ツールの中には、作業時間などを自動で計測してくれるようなツールもございます。ぜひ様々なツールを体験してみて、会社に最適な形で導入してみてください!
工数管理に対する学習コスト
いざ工数管理を社内に取り入れようと思ったときには、Excelでの工数管理、もしくは工数管理ツールの導入を検討されると思います。その際、ExcelやITツールの操作経験が少ない方は、導入後の学習コストを検討するようにしてください。
取り入れたものの、操作に慣れるのに時間がかかったり、使用のたびに操作に戸惑っていては、学習コストによる損失が膨らんでいきます。導入の際には、慣れない作業が生む学習コストを踏まえたうえで、操作性が高く、気軽に使用できるようなツールの検討をおすすめします。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
社内の業務効率化や生産性向上に一役買ってくれる「工数管理」の重要性を感じていただけたでしょうか?ぜひ社内に工数管理を取り入れて、利益の最大化、社内のモチベーションUPなどにつなげてみてください!
さいごに、工数管理ツールの中には無料体験を実施しているものも多数ございます。まずは、1度試してみて「会社に合うかどうか」、「継続して続けていけそうか」など様々な観点から比較検討してみてください!
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参考記事:『制作会社におすすめ!工数管理ツール『Pace(ペース)』とは?』
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そのほかの”おすすめの工数管理ツール”については、以下記事にてご紹介しておりますので、こちらをご参考ください!